ファッション&インテリアスタイリスト 石井なお子さん「日々の生活にエシカルを。」
日々の生活を豊かに、そしてサステナブルな取り組みに自然と参加できるヒントを、さまざまなプロフェッショナルにお伺いしていくINTERVIEWシリーズ。今回は「ひとによいこと、環境によいこと、社会によいこと、をデザインコンシャスに。」をミッションに掲げる株式会社THINKSTHINKS クリエイティブディレクター、ファッション&インテリアスタイリストの石井なお子さんに「日々の生活で自然とエシカルを取り入れる方法」についてお話しをお伺いしてきました。
―石井さんがエシカルを意識することになったきっかけー
子供のころから自然にエシカルな生活をしていた石井さん。幼少期のお母さまの子育てが今に通じているとか。思い返すと何気ない日々の生活のなかで、人への優しさやエシカルへの意識が根付き、子供たちとともに自然とエシカルな毎日を過ごしているそう。そんな石井さんのお仕事は、スタイリスト。「エシカル」を日々の活動と生活の中で無理なくうまく取り入れる方法をお伺いしました。
石井 ファッションの勉強でロンドンに留学していたときのある日、バスの後方にやんちゃな若者たちが座り騒いでいました。しかしある停留所でおばあちゃんがバスに乗ってくると、自然に席を譲っていたんです。その光景を見て、今まで「エシカル」って頭がいい人や賢い人が取り組むものと思っていたのが、それだけではないのだなと意識が変わりました。人は気持ちひとつで優しさや配慮を行動へ繋げることができることに気づきました。
―大きな転機は3.11の東日本大震災のときー
石井 色々なことが重なり、2016年にそれまで経営していたお店を閉めたことや、仕事もそのタイミングで自分が本当に大切にしている価値観で活動できる現ブランドにリブランディングするなど、その後の仕事の依頼内容も変わっていきました。過去の経験と、日々表現していなかった様々な思いを自然に表現できるようになったのもこの頃です。
―日頃の「モノ選び」のポイント。―
石井 何かモノを選び買う時には、「誰かのためになっているか」が大切と考えています。もちろん仕事柄、デザイン性をみつつでもありますが、各社の配慮している取り組みや生産背景は必ずチェックしています。他にも、いいものを長く使うということも生活の一部にしていて。例えば、子供の成長とともに使わなくなった洋服の生地は捨てず、布巾や雑巾に有効活用してみたり。家具などもアンティークのものを選んだり、器が割れて使えなくなると漆を使わない金つぎをしたり、カーテンのあまり布があるとミシンで縫ってターバンをオリジナルで作ってみたりと、日々の生活の中でも最後まで使い切るステップを楽しんでいます。
―eterbleを知ったきっかけー
石井 etebleは、クリエイティブディレクターの葉山さんから「新しい活動を始めたから話を聞いて欲しい。」と言われたのがきっかけでした。私は初めて葉山さんから話を聞いたとき、正直目からウロコでした。なぜならわたし自身も、繊維業界やファッション業界の大量生産と大量廃棄に対してずっと課題をもっていたからです。結婚式やパーティー業界のレンタル事業最大手の会社が、環境に配慮したモノづくりに取り組むことは何かしら社会によい影響が出て、社会課題を解決することに繋がるのではと思っています。だから、話を聞いたときは本当にうれしかったです。
―実際にeterbleのテーブルクロスを見てー
石井 eterbleのテーブルクロスは、「見た目のデザイン」と「質感」が良く、スタイリストの視点から見ても、お家の内装との相性も良さそうと感じました。さらに環境と社会に配慮した素材選びの考え方も素晴らしく、特に結婚式やパーティーで使われたテーブルクロスの廃棄を原料としリサイクルしたテーブルクロスは本当に感動しました。結婚式ってどうしても一生に一度のイベントなので、業界的に大量廃棄やごみの量が多くなるのですよね。でもeterbleのテーブルクロスは、それらの結婚式場で使用できなくなったテーブルクロスを、廃棄せずに次のテーブルクロスの原料にしています。これは社会が直面している環境問題を、購入するお客様にも理解をしてもらうメッセージとともに発信していると感じました。実際の生産工程についても、本来の製造の価値観を変えた循環サイクルは、リサイクル素材の革新に繋がったり、社会問題になっている気候変動の改善に必ず貢献するのではないでしょうか。最近、気候変動が加速していることは私のなかではかなり危機感を感じていましたので、そういったことに取り組んでいる企業やブランドがあることは本当に嬉しく、共感に繋がっています。
―石井さんが生活のなかでテーブルクロスを取り入れるポイントー
石井 私はお客様がお家に集まるとき、おもてなしの気持ちを大切にしています。例えば、そのときそのときの季節感やテーマを取り入れたり、テーブルクロスやランナー、ランチョンマットを敷き、食器やカトラリーとの組み合わせを考えたりします。このひと手間を楽しむことが大切なのではと思っています。また普段の生活のなかでも、子供が小さいうちからテーブルクロスを使う生活を自然と取り入れて、季節感を感じるってどういうことなのかなど、テーブルコーディネートを通して色々と楽しみながら教えていたりします。
―テーブルクロスのケアについてー
石井 普段のテーブルクロスのケアは、自宅で洗濯して干しています。もし補修が必要なときは、裁縫でかがったり、ミシンで縫ったりとか、必要に応じてセルフで対応しています。私はリメイクするのが好きなので、長く愛用できるように大切に使っています。eterbleが発表された時、自宅に干す場所がなかったり、子育てが大変でケアまで手が回らない方などに向けた、テーブルクロスに特化した「クリーニングサービス」や、テーブルクロスを長く愛用するための「補修」のアフターケアサービスも同時に展開することを伺いました。これはまさに私の「エシカル」な考えと同じでしたので本当に嬉しかったです。テーブルクロス商品の質の良さはもちろんですが、こういった取り組みの部分でも共感し、プロダクトを選んでみてほしいですね。etebleのエシカルな取り組みをたくさんの人に知って欲しいと思っています。
Profile
石井なお子
ファッション&インテリアスタイリスト。
1994年に独立後、雑誌や広告などで活躍。2016年より、デザインコンシャスに社会貢献をするブランド〈THINKS〉をスタート。エシカルな良品の発掘に力を注いでいる。
THINKS https://www.thinksthinks.com/
EC https://thinksthinks.shop-pro.jp/
Instagram https://www.instagram.com/thinks_2016/