長坂美奈子さん|eterble × マテュース 特別展示【テーブルコーディネートEXPOインタビュー】
テーブルコーディネートに携わるヒト・モノ・コトにフォーカスを当てた、業界初のイベントとして話題を呼んだ『テーブルコーディネートEXPO』
(イベント全体のレポートはこちらをご覧ください)
なかでも国内有数のテーブルウェアブランドとプロのテーブルコーディネーターによる展示は、多くの人の関心を集めました。
eterbleもこのイベント及び各展示に商品協力をいたしました。ブランドの垣根を超えたテーブルコーディネート展示について、企画・制作を手掛けられたプロのテーブルコーディネーターの皆さんにお話を伺っていきます。
今回は、料理研究家・食空間プロデューサーの長坂美奈子さんに「マテュース」と「eterble」のテーブルコーディネート展示制作の舞台裏についてお聞きしました。
ー はじめに、長坂さんは日頃どんな活動をされていますか。
長坂さん 料理研究家・食空間プロデューサーとして活動しております。主に自宅をレッスン場として、料理と一緒にテーブルコーディネートのレクチャーをしています。それから、外部講師として百貨店のカルチャーサロンなどで、料理やテーブルマナー、テーブルコーディネートレッスン等を受け持っております。近年では、都内の私立中学校や老人福祉施設などでも同様の活動をしています。
また企業様からのご要望を受けて、レシピ開発や新商品販促に伴うテーブルコーディネートや撮影用のフード&テーブルスタイリングのお仕事なども承っております。
ー テーブルコーディネートEXPOでは、「マテュース」と「eterble」のコラボレーション展示のテーブルコーディネートを作成いただきました。コンセプト、工夫した点について教えてください。
長坂さん テーブルコーディネートEXPOで担当させていただいたのは、食器メーカー「マテュース」とサステナブルテーブルウェア「eterble」のコラボレーションテーブルでした。
マテュース様は、ファッション業界出身の女性が立ち上げたスウェーデンのブランドということを知り、今回のテーブルコーディネートのテーマを「秋の森を感じて 〜女友達と楽しむFIKA&MIDDAG~」にしました。
イベントの開催時期が10月末でしたので、ゆっくりと秋の森を感じながらファッショナブルな女友達とスウェーデンの文化「FIKA(お茶の時間)」でおしゃべりを楽しみ、そのまま「MIDDAG(夕食)」も楽しむテーブルをイメージして作りました。
マテュース様のプレートは、なんとも言えない温かみのある絶妙カラーでしたので、テーブル全体を「ほっこり心温まるテーブル」のイメージにしたいなと思いました。そして、ファッションのようにテーブルも楽しんでほしいという想いも込めて、色の違う器の重ね使いでコーディネートしました。温かみある器の魅力を最大限に演出できるように、その他の小物類はあえてシンプルなデザインのガラス製を多く使い工夫しました。
そんなマテュース様の様々なアイテムをまとめてくれたのが、eterble様のテーブルウェアです。プレートにはプラム、グレー、アプリコット、サンドという4色を組み合わせてコーディネートしました。そして、優しい色合いのパープルとゴールドが入ったテーブルランナー(カルム)を使うことで、温かみを感じながらもどこか洗練されたスタイリッシュな演出ができました。
eterble様は真摯に環境保全に取り組んでいらっしゃって、様々な人々の手や想いを経て、醸し出される雰囲気やカラーがアイテムから感じられます。
今回のテーブルコーディネートでは両ブランドの良さをミックスし、温かみ、素朴感、スタイリッシュさも感じられるテーブルになったのではないかと思います
ー 素敵なコーディネート、そして解説をありがとうございます。準備から当日まで、どのようなご苦労がありましたでしょうか?
長坂さん 今回、通常の準備と大きく異なったのは、当日まで実物の食器類を見れなかったという点です。準備段階では、イメージ写真を確認しながらアイテムをセレクトし、コーディネートを組み立てていくことになりました。想像力を頼りにテーブルをイメージしたことが難しかった点でもあります。画像を何度も確認し、色や素材などの掛け合わせがおかしくないか、幾度もチェックしました。
また、秋を演出したかったのでドライフラワーを使用することにしたのですが、アーティフィシャルフラワーとは違って思い通りの形にならないので、自然の形を活かしたままコーディネートするのが難しい点でもありました。
ー 作成されたテーブルコーディネートについて、ゲストからどんな反応やご感想がありましたでしょうか。
長坂さん 当日は多くのゲストの方々とお話することができました。マテュース様は、ファッション業界出身の女性が「ファッションやインテリアを楽しむようにテーブルも楽しんでほしい」と立ち上げたブランドでしたので、テーブルコーディネートにも遊び心を入れて、ファッションをイメージするハイヒールの小物などを置いたり、FIKAをイメージできるようなパンやチョコレートなどのお菓子の小物類を置いたりして、コーディネートしました。
多くの方々から「小物類の使い方が素敵だった!」とコメントいただき嬉しかったです。
また「テーブル全体の雰囲気、色使いが上手」「見ているだけでワクワクしました!」といった嬉しいコメントも頂戴しました。
ー 最後に、eterbleの中で気に入ったアイテムを教えてください。またeterbleに対してお感じになられたことがあれば教えてください。
長坂さん テーブルクロスのエリザベットがお気に入りです。スノーカラーを購入して使っていますが、どんなテーブルにもマッチし、家で洗濯できるのも嬉しいです。3段タックがあることでシンプルながらも上品で華やかなテーブルクロスだと思います!
最近は追加でテーブルランナーのカルム(Sサイズ)と同デザインのテーブルナプキンを購入しました。ブルーグレーの色合いもとても素敵だったので、お正月や他のイベントのテーブルコーディネートでも活用しようと思っています。
これまで「アップサイクル」という言葉を聞いたことがありましたが、テーブルウェアブランドでこんなにも真摯に環境保全に取り組む企業様にお会いしたのは初めてでした。
染色をせずにリサイクルのポリエステル糸を作る技術は、たくさんの工程と時間がかかっているそうですが、ユーザーのニーズに応えながら様々なカラーバリエーションやデザインの商品があるとさらに魅力的に感じられるのではないかと思っています。
<テーブルコーディネーター>
長坂 美奈子|Minako Nagasaka
料理研究家・食空間プロデューサー
忙しい女性が平日の夜でも作ってみよう!と思える簡単レシピをメインにした料理とテーブルコーディネートの教室「Mina’s Dining Table」を主宰。教室運営を主軸にしながら企業様用レシピ開発、商品スタイリング、百貨店等での料理、テーブルコーディネート、世界基準で学ぶテーブルマナーなど講師業でも活動中。
著書「最上のおもてなし2、4、5、6」(草土出版)、料理王国オフィシャル料理家、Kai House Club Expert、日本ホームパーティー協会ホームパーティー検定認定講師。